私は月に1冊は書籍を読むようにしています。今回は最近読んだ本を紹介したいと思います。今回は「2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ」を紹介します。
概要
著者のひとりはイーロン・マスクの盟友として有名なピーター・ディアマンシス氏です。私は未来妄想が大好きなので、このような書籍が大好きです。あるYouTuberさんが紹介していたのを切っ掛けでこの本を知りました。
この書籍では小売、広告、エンタテインメント、交通、医療、長寿、金融、不動産、環境などの分野に分けて2030年の未来がどう進化していくのか書かれています。
「コンバージェンス(融合)」と「エクスポネンシャル(指数関数的)」という2つのワードが多く登場しますが、今はまだ独立している技術が融合することで指数関数的な加速度で技術が進化していくというものです。
例えばAI、ビッグデータ、自動運転、VR、AR、ブロックチェーンといった技術が挙げられています。これらの技術は各々独立した状態でこれまで進化してきましたが、これからはこれらの技術を融合することで、一気に世界が進化していくと著者は書いています。これを聞いただけですごくワクワクしませんか?
感想
かなり広域な分野にわたって書かれていますが、私が興味があるのは保険と医療の分野でした。
なるほどと思った一文があるのですが、現代の医療はヘルス(健康)ケアでなく、シック(病気)ケアであるということです。すでに発症してしまった病気に対し治療が開始されます。現代の健康保険医療もこれにならう形で制度が作られているわけで、予防医療に対する公的な給付はほとんどありません。予防接種や検診・ドックに対する給付は一部ありますが、手厚くはありませんね。
この本で書かれていたのは、ゲノム解析やウェアラブルセンサの進化により、個人の疾病リスクを事前に発見することが出来るようになり、ヘルスケア分野は疾病予防が主流になっていくということです。これにより、医療保険で保証される部分もいまとは大きく変わっていくと想像できます。
更にすごく面白いと思ったことが、個人の疾病リスクが分かるようになってしまうと、現代の保険は成り立たなくなってしまう点です。(保険屋さんの皆さんすみません(^^;)
なぜなら保険はリスクの高い人や低い人のみんなで助け合うことを目的としているからです。疾病リスクが未然に分かってしまうと、疾病リスクのない健康な人たちは医療保険に入らなくなってしまいます。そうなると保険は成り立たなくなってしまいますね。
これを読んで私は、保険制度がこれからどの様になっていくのか全く予想が付きませんでした。保険というものが無くなってしまう未来しか見えません。
保険の市場規模は縮小するかもしれませんが、これに代わる新しい商品、サービスが誕生すると思うと、楽しくなってきますね。
2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ (NewsPicksパブリッシング)
- 作者:ピーター・ディアマンディス,スティーブン・コトラー
- 発売日: 2020/12/22
- メディア: Kindle版